特長と歴史

寒暖差の大きい奥久慈の自然豊かな環境で
ゆっくり・のびのびと飼育しています。

3倍の手間をかけて、
骨太の立派なしゃもになりました。

こだわりの生産方法

奥久慈しゃもを生産する茨城県北部の奥久慈地方は、阿武隈山系と八溝山系の山々に囲まれ、豊かな自然が広がっています。関東平野の外縁に位置し、寒暖の差が大きいこの土地では、古くからしゃもの飼育が盛んでした。
「肉の味を最高に、産卵率・育成率を高く」という目標を掲げて誕生した奥久慈しゃもは、茨城県内で系統選抜された性質の穏やかな「しゃも」と、「名古屋コーチン」、「ロードアイランドレッド」を交配して生まれた、この地域特有の血統を持つ地鶏です。
気難しいしゃもを育てるのに適した中山間地域の静かな環境で、ストレスをかけずにのびのびと長期間飼育した奥久慈しゃもは、緻密でしっかりとした肉質、ジューシーな肉汁、脂肪分が少なく歯ごたえがあって香りが良いと、料理人の方からも高い評価を受けています。

奥久慈しゃもの飼育日数は、オスで最低110日以上、メスでは130日以上。一般的な鶏(ブロイラー)と比べて、約3倍の日数をかけてじっくり育てています。全国の地鶏の中で飼育期間が100日を超えるものは、奥久慈しゃもや比内鶏など数えるほどしかありません。
また、1㎡あたり10羽以下のゆったりした飼育密度で、気性の激しいしゃもの野性味を上手にコントロールし、ストレスをかけずに育てています。
飼料には動物性タンパク質を使用せず、穀物や青菜を中心に、ヨモギなどの滋養成分や海藻由来の天然ミネラル等を配合した低カロリーの専用飼料を与えています。
生産者が手間を惜しまず、良質で立派なしゃもをつくるために重ねてきた工夫が、現在の奥久慈しゃもの評価につながっています。

通常のブロイラーの3倍以上
オス:最低110日以上
メス:最低130日以上

28日齢以降はゆったり
1㎡あたり10羽以下で平飼い

ヨモギなどの滋養成分や海藻由来の
天然ミネラルを配合した専用飼料
動物性タンパク質不使用

肉汁たっぷりジューシーなのに、
脂肪分が少なく歯ごたえ抜群!
旨味の詰まったヘルシーな肉質が魅力。

肉質について

「脂肪分が少なく緻密でしっかりとした歯ごたえ、ジューシーで深いコクのある味わい」
奥久慈しゃもの肉質を評する言葉は一貫しています。一般的な鶏(ブロイラー)と比べ、脂質は約40%、カロリーは約80%と、低脂質、低カロリーは数字にも表れており、その肉質の良さから多くの料理人の方々に選ばれています。
また、奥久慈しゃもはブロイラーと掛け合わされていないことから、「昔のしゃもの味が残っている」という嬉しい声もあり、日本を代表する地鶏の最高傑作のひとつと評価されています。

奥久慈しゃもはブロイラー(一般的な食肉鶏)と比べて、脂質が非常に少なく低カロリー。
歯ごたえのある肉質は、水っぽいブロイラーと違って、煮ても焼いても美味しいのが特長です。

奥久慈しゃもの歩みは
昭和50年代にはじまりました。

奥久慈しゃもの歴史

奥久慈しゃもを生産している茨城県の県北地方は関東平野の外縁にあたり、阿武隈・八溝の2つの山系に囲まれた中山間地域です。自然豊かで清澄な環境ですが、斜面が多く大規模な農耕には適さない土地柄でもあります。そうした地理的な理由もあり、奥久慈地方では古くからしゃもの飼育が行われてきました。
昭和50年代に、大子町の有志により、茨城県の技術協力のもと新たな鶏の品種の育種が始まりました。気性が荒く、長期間の飼育が困難といわれるしゃもの中から、群れ飼育が可能な種を選抜し、オス系には食味の良さを引き出したしゃもを、メス系には肉付きが良く味に定評がある名古屋コーチンと生産性の高いロードアイランドレッドを交配する研究が進められました。この交配は前例がなく飼育方法は手探りで始まりましたが、生産組合が飼育研究を重ね、独自の生産方法が確立されました。こうして誕生した地鶏が「奥久慈しゃも」です。
昭和60年(1985年)には本格的に生産、販売が開始され、生産量も徐々に安定し、料理人の方々を中心に高い評価を得るようになり、昭和63年(1988年)には、「全国特殊鶏(地鶏)味の品評会」で全国10種の地鶏の中で、第1位に選ばれる栄誉に預かりました。
その評価は衰えることなく、レストラン等を格付けするミシュランガイド東京2017年版でも、食材として高く評価されています。
平成30年(2018年)には、鶏としては日本で初めて、「地理的表示(GI)保護制度」に登録され、日本を代表する地鶏としてたゆまぬ努力を続けています。

昭和58年の鶏舎建設現場を背景にしゃもとヤギの姿が
昭和63年には飼育規模が39,000羽に
様々なイベントに参加して奥久慈しゃもをPR
この頃はまだ放し飼いも行っていました。
平成9年3月に直売所が完成